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アメリカで銀行口座を開く 〜 SSN無し編

渡米してきて1ヶ月、ようやく銀行口座を開くことができたのでメモを残しておきます。 表題の通り SSN (Social Security Number - 社会保障番号) が無い状況で開設するという特殊なパターンです。COVID-19 状況下で SSN 取るのが本当に困難でまだ取得できていません。多分来月取れるはず……

そもそも SSN が無いと銀行口座が開けないと思っていた

SSN は US の税金制度と密接に関わっているため、カネの流れと直結する銀行口座を開設するためには SSN が必要だろうと思っていました。それは部分的には正しく、基本的に銀行口座を開設する際は SSN を尋ねられますし、もしインターネット経由で口座開設をしたい場合は必須となります。

ただ、インターネットを眺めていると「SSN 無しでも口座を開設できる」というような情報が散見され、アメリカに居住している知人も「取れる場合があるらしいぞ」と教えてくれたので、「まあ頑張れば取れるんだな〜」と思いつつ、特に緊急で口座が必要なわけではなく (実際は僕がそう思っていなかっただけで緊急で必要な状況だったのですが) 頑張るつもりもなかったので SSN が発行されてから開設すれば良いかな〜と思って放置していました。

というか SSN が無いと給与振り込みも不可能なので (Tax Number が SSN に紐づいているため、これが無い状態で給与を支払うと違法な状態になります) 口座だけ持ってても仕方が無いだろうと思っていたのです。

しかし口座が必要になったので SSN 無しでの開設を試みる

が、状況が変わり今住んでいるアパートから引っ越す必要が出てきて、新たな賃貸契約を結ぶためには銀行口座が必要となってきました。

自分が実際に支店で訊いた限りでは少なくとも Chase BankWells Fargo は SSN 無しで口座を開かせてくれるようでした。その他の銀行には訊いてません。噂によると Bank of America も SSN 無しで開設できるようです。

今回はオフィスから徒歩2分というゲロ近な位置に Chase の支店があったので Chase での口座開設を試みました。なお Chase は口座開設をしてから 90 日以内に給与振り込みをその口座で受けると $225 をもらえるというカルチャーショッキングなリワードがあり *1、そういうのが好きな人にはたまりせんね。もちろん僕も現金は好きなので助かります。どうも US の銀行だとこの手の口座開設ボーナスはよくあるとのこと。

Day 1. とにかくパスポートと visa でゴリ押しして口座開設を試みる

とりあえず何のアポイントも無く支店へ赴き、「checking account を開きたいんですが」と窓口で言ってみました。当然のように「SSN はあります?」と尋ねられたので「無いです! 手続きは進行中です!」と元気良く答えます。その後に「米国市民ですか?」と訊かれたのですが、順序が逆では? SSN 無い米国市民っているんですか? もちろん僕は米国市民ではありませんからそれもはつらつと答えます。

さて、もちろんパスポートだけで外国人が口座が開設できるほどアメリカの銀行は甘くはありません。この時、パスポートの他に開設に必要だと言われたのは以下のいずれかの書類でした:

  • 住所が記載された公共料金あるいは携帯電話料金の請求書
  • 給与明細
  • 居住地を保証する旨が含まれた雇用証明書
  • 運転免許証

現住所を証明するためにこれらの書類が必要なようです。賃貸契約書 (Lease Agreement) は使えないとのことでした。

現在住んでいるマンスリーアパートは公共料金が家賃に全部入りのプランなので公共料金の請求書は入手できません。携帯電話も SSN が無いと post-paid な契約は不可能で、pre-paid な携帯電話の契約しかないのでこの請求書の線も消えます。

給与明細はどうでしょうか? 給与を受け取るためにこの銀行口座を開きたい、という目的を考えるとこれも不可能であることがわかります。

従って雇用証明書あるいは運転免許証を入手する必要があることがわかります。この翌週に運転免許証を取得する予定だったのでそれを使うことにし、次回のアポイントメントを取って銀行を後にしました。

Day 2. 仮運転免許証を持参して口座開設を試みる

前回言われたことをしっかりと守り、パスポートと運転免許証を持参して口座開設を試みます。

この時、運転免許証が A4 ペライチの仮免なのがいささか不安です。なぜ仮免なのかというと、アメリカで運転免許を取得してもすぐには正式な免許証であるカードが発行されず、とりあえずその場でペラ紙の仮免許証が発行されるのです *2。カードが屆くまでには10営業日程度かかるらしく、アポの日までにこのカードが屆きませんでした。

「仮免なんですけどいけますかね」と確認をすると「ちょっと確認しますね」と窓口の人はどこかへ電話をかけ高速な英語を繰り出します。結果的に「大丈夫ですよ」とのことでホッと一安心、開設のための個別ブースへと通されます。

そこでオフィサーにパスポート (visa) と仮免を渡すと一転、「仮免はね〜駄目なんすよね〜、顔写真付きのやつじゃないと」とつっ返されます。おいおい、話がちがうじゃん、と思いましたがどうも行き違いがあったらしく窓口の人は「期限切れの免許証」と勘違いしていたようです。ふーん、エッ、期限切れの免許証は有効なわけ?

ともあれ、オフィサーに「まあ、住所入った雇用証明持ってきてくださいよ」と言われゲームセット、次のアポイントメントを取ります。

Day 3. 雇用証明書を持って口座開設を試みる

今度こそ口座開設を成就すべく雇用証明書を持参して再び臨みます。今回は非常にスムーズに事が運び、パスポートと雇用証明書でめでたく口座開設と相成りました。やはり口座開設も三顧の礼が必要であることがわかります。

口座開設後「キャッシュカードは1週間くらい後に屆くけれど、それまで ATM を使えないのは不便でしょう」とオフィサーに言われ、まあそんな不便ではないんだけれど「そうっすね」と答えたところ、言葉巧みに iOS アプリのインストールを促され、かつデビットカードApple Pay と連携されました。この Apple Pay のデビットカードを有効にしつつ Chase の ATM にかざすとあら不思議、キャッシュカードとして扱えるではありませんか。これには素直に感動、Apple Pay さえあれば ATM が使えるのは本当に便利ですね。なおこれは Android でもできるそうです。

なお SSN が発行されたら再度銀行へと出向き、既存の口座に登録する必要があるそうです。SSN が紐付いていない口座は一部の機能が制限されています。

まとめ

SSN 無い状況で銀行口座開設すんの面倒くさすぎる!!!!!! なお経験からですが、現住所が記載されている雇用証明書を所属している組織が出してくれるのであればそれを使うのが確実そうです。

ちなみに SSN あるとすぐ開けるそうです。

*1:https://account.chase.com/consumer/banking/seo

*2:この仮免はパスポート等の他の身分証明証と組み合わせることで効力を発揮します