「知られざる特殊特許の世界」を読んだ
これからは知財の時代や!!! と思い立ったわけでもないのですが,ここ最近特許関連の書類と触れ合う機会が多いのでその取っ掛かりということで読みやすそうな本を読んでみました.
- 作者: 稲森謙太郎
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2000/07
- メディア: 単行本
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平易な言葉で知的財産権 (特許権,実用新案権,意匠権) について説明されていてわかりやすい.これらの権利については前もって知識があったので,知っている内容も多くあったのですが,改めて全体を俯瞰できる感じで良かったです.
事例として出てくる特許や実用新案の請求は割とトンデモ系 (世界の全てを主張する特許や念力による製薬の特許など) が多く,ややエンターテインメントに寄っている感もあるのですが,そういった得てして一笑に付されて終わりになりそうな請求に対しても「『自然法則を利用した技術的思想の創作』ではないから駄目」「『実際上,明らかに実施できない発明』であるから駄目」という感じで丁寧に説明が為されていて参考になります.反面教師から特許請求のあるべき姿が学べると言ったところでしょうか.
もちろんまともな特許事例も例として示されていますし,一見すると通らなそうな請求についても「じつはこのような理由で〜」という説明があって良いです.
知財権周りのタスクを突然やることになったときの取っ掛かりの一冊としてはなかなか良いような印象です.サクッと読めて良い.